▶【経営コラム】スピードこそ最大の武器!

2017年04月17日

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「見積もりは24時間以内に出させよ」
     (日本電産・永守重信会長)
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日本電産は、著名なカリスマ経営者・永守重信氏の率いる巨大なモーター関連のメーカーです。
赤字のモーター関連メーカーを次々と買収して、短期間で再建させ、グループ全体の売上高・シェアを拡大してこられました。
川勝宣昭氏(元日本電産取締役)の著書『日本電産永守重信・社長からのファクス42枚』(プレジデント社)を引用させていただいて、その成功の要因(のほんの一部)を紹介いたします。

■スピードこそ最大の武器…
「見積もりは24時間以内に出させよ」(永守重信会長)

日本電産の創業者・永守重信会長は、ご自身の著書『情熱・熱意・執念の経営』(PHP研究所)の中で、以下のように述べておられます。
「…最近わが社の傘下に入ったある会社と、日本電産の一番の違いはスピードです。その会社は、経営判断のスピード、そして決断してから実行するまでの時間がわが社の三倍ぐらいかかっていました。これ以外に、ほとんど問題点は見つかりません。高い技術力と優秀な人材、安定したマーケットも持っています。少し意識が低い社員、決断の遅い経営者がいただけで、赤字が百億円まで膨らんでしまったのです。いまの時代は、決断と実行のスピードの差が、そこまで会社の命運を左右します。…」

日本電産グループ企業のスピードを物語るエピソードが、川勝宣昭氏(元日本電産取締役)の著書『日本電産永守重信・社長からのファクス42枚』(プレジデント社)で紹介されています。
「…日本電産では「スピード」は社内スピードではなく、社外スピード、すなわち顧客とのスピードを意味します。…私が最初の任地、N社に着任して程なくして、永守社長から届いたファクスには「見積もりは24時間以内に出させよ」の文言が入っていました。それまでのN社は、営業マンが顧客からもらった見積もり依頼を、早くて1週間、遅ければ2~3週間もかけて届けていました。…開発や工場の見積もり担当者は、社内会議の合間合間に(見積もり作成を)やっているので、延び延びになるのです。…営業マンがお客様のところに通いつめて、やっと見積り依頼
をもらいます。…翌日午後には、(見積もりを持って)お客様を訪問することになります。これにはまず、お客様がびっくりします。そして、すぐに試作のオーダーをもらうことができるわけです。…」

現在は行われていないと川勝氏はおっしゃっていますが、日本電産の入社試験「早食試験」のエピソードは有名です。事前に社員が弁当を試食して、一番遅い社員の完食時間が10分だったので、入社試験では10分以内に完食した学生を無条件に合格させたとするエピソードです。入社試験にもスピードを取り入れていたようです。

■「2割の社員の支持があれば、改革は成功する。」(永守重信会長)

川勝宣昭氏は同著の中で、以下の内容も紹介されています。
「…永守社長からの数百通におよぶファクスをもらいましたが、その中でこの『2割の社員の支持が、改革が始まる条件だ』という言葉は、時に辛酸、時に成功を味わいながら、何度も会社改革を経験した人でなければ引き出せない真実味がこめられている言葉だと思っています。…組織にはいろいろな人がいます。問題意識が高く、リーダーの改革に積極的に呼応する火ダネ社員、大勢が変わればそちらに引っ張られるが、普段は動かない様子見社員、改革に常に冷ややかな目で見ているシラケ社員ないしは抵抗勢力。この中で火ダネ社員は常に少数で、1割もいればいいほうでしょうか。現実はもっと少なく5%ぐらいかもしれません。改革の情熱に燃えるリーダーは、この混成社員集団に働きかけて、まず火ダネ社員をもっと燃えさせます。すると、火ダネ社員は積極的改革勢力となって周りに働きかけてくれるのです。次にリーダーは、この火ダネ社員と一緒に様子見社員に働きかけて、この動かなかった様子見社員を半燃焼状態からやがて燃焼状態に持っていきます。こうしてようやく2割のリーダーに対する支持勢力、火ダネ勢力を確保した瞬間から改革は動き出します。いままでとは嘘のように組織がスルスルと前向きに前進し出すのです。…」

日本電産の事業再建は、被買収会社の資産の切り売りも行わず、人員リストラも、役員陣もそのまま引き継いで、しかも、大勢の幹部を送り込むでもなく、進められるようです。川勝氏は単身で被買収会社に出向いておられます。
資産の切り売りや人員リストラに代って行うのは、日本電産流の「意識改革」、2割を変えることなのでしょう。

※ご興味があればご購読ください。
『日本電産永守重信・社長からのファクス42枚』〔プレジデント社・川勝宣昭氏(元日本電産取締役)著〕

 


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