▶【実践コラム】信用保証制度の見直し案について

2017年11月23日

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 …今後の中小企業金融の方向性を解説します。
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政府の中小企業金融政策で最も重要な役割を果たしているのが信用保証協会です。信用保証制度は時代の流れとともに、その役割を少しずつ変化させてきました。近い将来、信用保証制度がどのように変化するのか、2016年12月に有識者会議でまとめられた報告書から読み取ります。

信用保証制度とは、中小企業が金融機関から融資を受けやすくするため、金融機関に対して信用保証協会が債務を保証する制度です。金融機関にとっては、いざという時には国が返済してくれるため、企業の信用力が低くても、安心して融資をすることができます。

しかし、金融機関にリスクが全くないため、信用保証付き融資のみの企業に対して、支援姿勢が弱くなるという傾向が見られました。よって、平成19年から、保証割合を100%から80%に改正し、金融機関も20%のリスクを取るよう変更されています。

以降、この保証割合を80%からさらに減らしていくことが大きな論点となってきましたが、2016年12月にまとめられた報告書で最終的な概要が見えてきました。

■ リスク分担について
保証割合は現行のまま、80%が保証協会、20%が金融機関という結論です。理由は、保証割合を変更するのではなく、企業の借入全体に占める金融機関のプロパー融資の割合で、実質的なリスク分担を行う方が有効だという判断です。

他にも、企業のライフステージ各局面における施策についてまとめられました。

1.創業期の施策
過去の実績など、事業リスクを判断する材料がないため、金融機関は創業企業に融資をしにくいという課題があります。一方で、創業期は、事業を軌道に乗せるまでに相当程度の資金を必要とするため、創業者向け保証制度の限度額が、1,000万円から2,000万円に拡充される見込みです。

2.拡大期の施策
事業を拡大するための設備資金や増加運転資金が必要となる局面です。先行投資により収益が一旦悪化しますが、中小企業から中堅企業に成長発展する過程においては、一定程度のプロパー融資を確保し、保証への依存度を下げることが望ましいとされました。保証協会からの卒業をうながしています。

3.持続的発展期の施策
中小企業の中でも、とりわけ小規模事業者の場合は、信用力が低くプロパー融資が十分に行われない恐れがあります。よって小規模事業者向け保証制度の限度額が1,250万円から2,000万円に拡充される見込みです。

4.再生期等
限度額まで借入を行っているにもかかわらず、経営上の課題が残されている場合も多く、新規資金の調達が困難な状況です。プロパー融資の維持など、金融機関の支援姿勢が確保できている前提で一定の支援がなされます。また、円滑な撤退を可能とするための保証メニューの充実なども検討されるようです。

5.危機時の対応
自然災害、不況業種等の支援策として、保証割合が100%のセーフティネット保証がありますが、不況業種への保証については、100%保証が活用し続けられると、企業の経営改善が進まないこととなりかねないため、不況業種へのセーフティネット保証制度は、保証割合が100%から80%に改正される見込みです。

今回の改正により見えてきた方針は、創業期は政府主導による支援、そこから成長発展していく企業は民間金融機関がプロパー融資で支援、そのまま小規模事業に留まる企業は引き続き政府主導による支援、再生段階にある企業は金融機関主導で選別を強化する流れと感じます。創業を歓迎し、不況業種への支援体制は薄く、再生期の企業が撤退しやすい環境を整え、新陳代謝を促す動きが加速しそうです。

 


 

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